2018/07/28
あかね空、不正入試、ロベルトモレノ

不正入試の発覚で医学界が揺れております。
夕焼けを見ながら、いろいろとこれについて思いを馳せるわけですが
まずは現在の医学部の状況からおはなし。
とにかく私大医学部は金がない。すかんぴんであります。
意外でありますが、これはちゃんとデータ(※1)があります。
年間、ひとりの医学生にかかる教育費は1700万円超。
メインの収入である学費は平均500万円。大赤字です。
学費を上げたくても、もう十分に高くてこれ以上、上げられない。
(注 国立なら学費は1/10です)
そして、支出の大半を占める人件費、これがとてつもなく高い。
国からの補助金や企業・個人からの寄付を入れても
1校あたり年間の赤字が46億円という状態。
極端な話、ある程度の学力が担保されてるんなら、
寄付金の高い順に入学させたいのが、彼らの本音かもしれない。

現在、医学部の偏差値はバブル状態。
以前は高収入かつ安定していることで人気だった職業、
例えば弁護士、歯科医、国家公務員、銀行員などの株が大暴落。
優秀な学生がみんな医学部を目指してます。
ヒトがどんどん集まるので、学力だけじゃなく人柄も重視するようになった。
最近は学科は通ったけど、面接で落ちるというのが珍しくないです。
結果として、最近卒業して現場に出てくる若いお医者さんは
すごく優秀かつ人柄がいい。
勉強は出来るけど人間性はポンコツみたいな人はめったに見なくなった。
医学部の人気は過熱する一方なので、ますますハードルが上がりそう。
合格基準に容姿が入ってくるんじゃないかと心配です。デブは駄目とか(爆)

ロベルト・モレノというブラジル人のレーサーがいます。
90年の日本GPではネルソン・ピケに次ぐ2位に入賞。
その実力は誰もが認めるところですが、なぜかシートに恵まれず、代役ばかり。
誠実な人柄でも知られており、なぜレギュラーとして活躍できないのか不思議でした。
一説にはその容姿が影響したと言われてます。
背が低く、20代前半から、すでに頭髪はまばら。いわゆる若ハゲだったのです。
当時のレース雑誌に載ってた関係者のインタビューによれば
「彼がもう少し足が長くて、もう少し髪の毛があったら
フェラーリのドライバーになれたろう」
「同じくらいの速さのドライバーが2人いたら、
見た目がカッコいいほうをチョイスするものだ」
もう身もふたもないんですけど、人気商売だからねえ。
今回の不正入試の話を聞いて、何故か悲運のブラジル人ドライバーを思い出しました。

自分の実力以外で認めて貰えないって辛いよね。
東京医大に入れるはずだった学生にはぜひ救済措置を!
ちなみに医学部は、入る前も、入ってからも大変で、試験と実習はとてもハードです。
医者になるぞという強い意志がないと続かない。
卒業しても、国家試験に通らないと免許がもらえません。
不正に合格したひとはいずれ淘汰されるんじゃないですかね。
※1 日本私立医科大学協会