2014/03/30
8枚玉とズミルックス 2つの35mmレンズをライカMで

LEICA M Summicron 35mmF2(8-elements)
ISO1600 F4 1/250
最新型デジタルライカにつけると
たいていのレンズは良く写ります。
50年前のレンズなのにやけにスッキリしてたり。
オールドレンズらしさが漂白されて
しまうのです。ちょっと困っちゃう。

8枚玉ズミクロンと初代ズミルックス。
いずれも大人気のレンズです。
最近の高騰ぶりは凄まじい。
特にズミルックスは異常。
ebayだと美品レンズは1万ドルを超えてます。
100万円だぜい?誰が買うんだよコレ・・・。

魅力の源はどこにあるのか?
性能ではないことは確か(笑)
色んな本に書いてあるけど、色々弱点が
多いレンズなのです。

ちょっとテストしてみました。
林の中のOM-Dがモデル。
各レンズの解像力
まずはズミルックスを試してみた。
中央部切り出し

クリックで等倍になります。
開放はかなり甘いわけですが、今まで
使ってきた感じからすると
「あれ?結構写ってんじゃねーか」なんて。
これ、デジタルマジックなのよね。
フィルムだといかんなく実力を発揮します(汗)。
強烈なモヤモヤぼわぼわ・・・。
一方、8枚玉ズミクロンはどうか。
中央部切り出し

クリックで拡大
通説では
「開放は甘くてヌケが悪い」
そういう事になってる。
だけど、実際にデジタルライカで使うと
とっても良く写ります。かなりイイ。

8枚玉 絞り開放
等倍

フィルムだとかなり甘いわけですが
デジタルだと「ほんのりソフト」に。
品のある柔らかさとでもいいますか。
これはヤミツキになりますな。

8枚玉 絞り開放
8枚玉=絞って使うべきレンズ、と聞いて
いましたが、開放も案外いけると。
デジタルライカ恐るべし。
周辺画質のはなし
「暴れん坊」のイメージが強いズミルックス。
「優等生」の8枚玉。
一般的にはそういう評価らしいのですが果たして。
両レンズのF2.0からF4まで並べてみました。



意外に差が無いんですね。
むしろ、8枚玉よりズミルックスの方が
早い段階で落ち着いていくような印象です。
なんか口惜しくて何度も試したけど(爆)
それでも、今回は差が出ませんでした。
ゴーストとフレアはオールドレンズの花
開放での強烈なフレア/ゴーストは
ズミルックスの代名詞。
でも8枚玉も負けてません。
僕のだけかもしれないけど。

クリックすると2500x1500に拡大。
いやあ、両レンズともすごい。
ズミルックスなんて虹が出る(爆)
現代レンズじゃ絶対味わえない。
オモシロい。何度でも虹を見たくなる。
絞ると、イッキに解消していくズミルックス。
対して8枚玉はあまり良くならない。
いずれにせよ、注意が必要ですけど
デジタルならさほど、問題になりません。
撮影時にリアルタイムでわかるので対処可能です。
これ、フィルムだと困るだろうなあ。
現像から上がってきてビックリ、という。
使いやすいのは・・・

8枚玉 絞りF5.6
8枚玉ってしみじみ良いです。
もっと早く買えば良かったかも。
穏やかソフトな開放は癖になります。
絞れば、濃厚シャープに。

8枚玉 絞りF2.8
ポートレートにも風景にも活躍してます。
意外に「便利」なレンズであったと。
一方ズミルックスは、なかなか難しい。

ズミルックス 絞り開放
夜の波止場。
霧にむせぶ感じになるかな、と思って
開放で撮ってみたけど。
なんか単に甘いだけみたいな(汗)
難しい・・・。
ズミルックス 絞り開放

F5.6

やっぱし、キリッとさせたくなっちゃう。
もやもやを生かすのは結構むずい。
少し絞ると劇的に画質が改善して
程よく柔らかさが残ります。凄く好きです。
F2に絞ったズミルックスは、まろやか世界一と
勝手に考えていました。

ズミルックス 絞りF2
しかし、8枚玉の開放はそれ以上に良かった。
あくまで僕の持ってる個体の話ですけど。
古いレンズなので個体差はかなりあるらしいです。
F5.6まで絞っても、僕のズミルックスは
ところどころ甘い箇所がでます。
像面が均一じゃないんでしょうね。
別にそれでイヤになったりしませんけど。
これからも使い続けたい両レンズです。
でも最近は8枚玉ばっかし。
つくづく便利にヨワイ。困ったもんだ。