2018/04/10
チョウゲンボウの繁殖行動を超スローで捉えようとするはなし

子育て上手のチョウゲンボウ夫婦が今年も営巣地にやってきました。
工場のてっぺんで子育て。人や車の出入り。機械の音。大変に賑やかなところです。
でも彼らはあんまり気にする風でもない。
元々は断崖絶壁みたいなところで営巣するそうですが、
鉄塔で営巣するハヤブサもいますし。適応力は高いようです。
なるべく高いところがいいのかと思うとそうでもないみたい。
文献を読むとオオタカの巣に適するのは樹高15m以下という記述もみます。
気に入った巣は何度も利用するようで、このカップルもかれこれ4年くらいは続いてるはず。
デンマークではオオタカが17年連続で同じ巣を使ったというのも文献で見ました。

猛禽を追いかけてウン十年のベテラン、Yさんが興奮して言うには
昨日から盛んに交尾をくりかえしているとのこと。
野鳥を見ていてやはり一番感激するのは、交尾と子育てですね。
僕の師匠は「野鳥の交尾は見ていて決して綺麗なモノじゃない。
作品にはなりにくいんじゃないか」というのが持論です。
僕は逆で、カワセミの交尾している姿は神々しくさえ感じます。
交尾の写真を額装して玄関に置いてもいいくらいですよ、と師匠に話すと
「きっと、このヒトあたま大丈夫?って思われるよ」と笑われました。

チョウゲンボウを見に行く前から、交尾のシーンを想像して一人でウキウキ。
さて、タイトルはどうしようか。?
「チョウゲンボウの交尾を観察する」ーこれじゃあ即物的。面白くない。
「チョウゲンボウ、愛の賛歌」ー昭和の裏ビデオみたいな(汗) これは恥ずかしい
「we can make love any time you want」ー僕らはヤリたい時にヤレる。もう最悪だ。何のブログなんだこれは。ホントすみません。
撮影場所は私有地でありまして、先輩カメラマンが関係各所に
挨拶して下さった上で撮影開始であります。皆さま本当にありがとうございます…。
500㎜に2倍テレコンで1000㎜。GH5Sで換算2000㎜。
距離がかなりあるので、今回はとても有用でした。
しかし、春の暖かな空気で、ピント合わせは超困難。陽炎のように揺らいでいます。
で、撮影してまもなく、チョウゲンボウの交尾を目撃。240fpsでばっちり捉えました。
感激…一瞬、もう死んでもいいと。
ワクワクしながら再生。写ってない。ファイルがない。録画ボタンを押してなかったようです。
一瞬、もう死んでしまいたいと。
こうなったら、徹底的に粘ろう。先輩方が、それぞれ引き上げられた後も、じっと待ちます。

そういえば、チョウゲンボウの巣の近くで、チドリの親子も営巣してたことが
あったっけ。可愛らしいヒナが、獲物として運ばれてしまったこともあった。
色んな思い出に浸りながらじりじりと陽に焼かれること3時間。
やっとチョウゲンボウの夫婦が戻ってきました。
…とにかくくたびれました。いやはや。