2015/01/15
フェールセーフなのかお節介なのか

LEICA X Typ 113
ISO200 F1.7 1/15秒
ライカX Edition Monclerのレビューその3であります。
このカメラには、不思議な機能がついていまして
被写体に近づくと、自動的に絞りが動きます。
具体的には開放値F1.7から最大F2.8まで
被写体の距離に応じて自動的に絞り込まれます。
まずはやってみますか。

ISO400 F1.7 1/60秒
被写体までの距離は1.2mくらい。
1mまで近寄ってみる。

ISO400 F2 1/60秒
F2に絞られました。ちなみに、ダイアルはF1.7に
固定してあるのですが、カメラが勝手に絞る。
さらに60㎝まで近づく。

ISO400 F2.5 1/60秒
40㎝まで近づくと、絞りはF2.8になりました。

ISO400 F2.8 1/60秒
撮影はマニュアルモードで行っているので
絞り込まれた分、暗くなっていきます。
ま、これはこれでいい感じだけどさ・・・。
まとめるとこんな感じ。

なんでこんな仕様なのか不思議でありますが
実際に撮影していると、なかなか理に適ってます。
例えばコレ。

ISO200 F2.8 1/250秒
至近で人物を撮ってみたんですが、この時も
自動で絞り込まれてF2.8になった。
せっかくのF1.7大口径なのに残念すぎる。
と思ったのですが・・しかし。

等倍でみると、目は解像してるけど鼻はすでに
ボケ始めている。
APS-CのF2.8だから、フルサイズのF4相当です。
こんなに絞ってもまだこれだけボケる。
逆に考えると、これ以上絞りを開けるとボケ過ぎて
写真として破綻しちゃうかもしれません。
これくらいの絞り値が、「いい塩梅」なわけですな。

ISO200 F2.8 1/160秒
だからと言って「さすがライカ」なんて
ちっとも思いません。勝手に絞るな。
おそらく近接領域では、絞らないと
想定した描写性能が保てないんでしょう。
「AFが合わない」という顧客からのクレームも
深度を深くすることで防げそうですし。
でも、絞りのダイアルをF1.7にしてるのに
勝手にF値が変わるってどう考えても気持ち悪い。
絞りを開けすぎて失敗する「自由」も
ユーザーの裁量範囲として残すべきです。
ところで、このカメラは人間の肌との相性が
良くない。馬鹿正直に過ぎるところがあるんだよね。

ISO200 F2.8 1/100秒
等倍

業界用語でいうところの皮膚紋理まで
バッチリ写る。写り過ぎだと思う。
幼児の張りのある肌ですら、グロテスクなまでに
細かく描写する。中高年の顔を撮る際はかなり気を遣う。

ISO1600 F2.5 1/250秒
さらに、高感度の問題もあります。
ライカXの高感度は解像感はあまり落ちませんが
その代わり輝度ノイズが目立ちます。
等倍

もともと肌と相性が悪い上にザラザラ(汗)
これは許容できません。
僕はRAWが大嫌いなので、JPEGでなんとかしたい。
カメラ内の設定をいろいろ変えてみましたがどうもしっくりこない。
諦めて、ライカXに同梱のLightRoomを使って
みたりするわけですが、まあメンドクサイわけです。

結局NeatImageのお世話になる羽目に。
なんか久しぶりに使ったなあ、このソフト。
NeatImage併用ならISO1600くらいまで
いけそうですね。肌の具合もやっと健康的になったし。
やれやれ、それにしても今回のブログ作成は
時間がかかりました。
なんか、つかみどころのないカメラと対話するのは
ひどく消耗しますね。もっと気楽に遊べると思ったけどなあ。